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総合管理学部の教育研究対象は、アメリカやドイツでは多くの大学で取り上げられている『アドミニストレーション』ですが、これは『パブリック・アドミニストレーション(公共行政)』と『ビジネス・アドミニストレーション(企業経営)』を包括・総合したもので。効率性や経済性を追求する経営マインドと、公共精神やリーガル・マインドを併せ持つバランスのとれた人材育成を目標としています」。
行政領域の諸問題への対応は、一方では各論化・個別化を生むこととなるが、このことは同時に学際的な対応がますます要求されることとなる。したがって、学際的に共通する基盤としての「アドミニストレーション」の追求が要請されたのである。
(3)政策科学の中心化
現代社会の様々な諸課題を解きうる分析手法など意思決定への重要性が非常に高まっている。
1990年に慶應大学では総合政策学部を設けた。この総合政策学部は、「今日的な問題に対応すべく、従来の学問の枠を越えた横断的な知識の再編成を行い、政策を総合的に立案実行できる能力を要請するのをねらい」とし。政策管理コース、社会経営コース、国際政策コースの各コースが設けられている。
立命館大学の政策科学部の目標は「問題解決志向型」の学生を育てることである。そして、次のように述べる。「政策科学は世界的規模での社会の激変の中で改めて社会科学の原点に立ち返って、問題を解決することを軸点にして社会構造や発展法則も見直そうという。新しい社会科学です。その政策科学を学ぶことは、何よりもその問題を解決するための基本的な観点や見識、方法を身にっけることにつながります。そこでは必ずしも特定分野のスペシャリストとしての知識や技術を身につけることが期待されるわけではありません。何よりも大事なことは問題を解決しようという発想、つまり「政策マインド」を育てることです。」と、政策過程科目、総合政策系科目以外にも、地球環境系科目、国際開発系科目も多く配置されている。
中央大学に開設された総合政策学部にも基本的な理念としては共通するであろう。しかしながら、中央大学の総合政策学部には政策科学科と国際政策文化学科とがあり、「政策科学を学びながら文化への関心を培い、文化科学を学びながら政策への関心を培うことにより、この『政策と文化の総合化』」を目指しているというところに特徴がある。すなわち、「従来の政策研究においては、どのような社会にも普遍的に妥当する合理的な分析手
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